デザインフェスタ(デザフェス)
2023年5月20・21日 11時~19時 東京ビッグサイト 6500ブース

文学フリマ東京36(文フリ)
2023年5月21日 12時~17時 流通センター 1639ブース

私も同人作家の仲間入りを果たし、11月には文フリに出店する側になります。
出店側になると自由に巡るのも難しくなりそうだし、設営のコツを知るためにも一度お客として見てみたいところ。
と、検討していた矢先、日ごろから推している絵師さんの「いつかそれ紙の本にまとめてくれ…!」と思っていたものが実現し、デザフェスで販売されることになりました。通販に出るかどうかのアナウンスはなし。
こ、これは…行くしかない…ッ両方に…ッッ!!

ということで、超無謀☆絶対真似すべきではないイベントはしごが実現したというわけです。
一度に見たことで違いもよく見えたので、次回文フリ出店者としての視点からレポします。

まずは戦果から:どう移動して何を買ったか

文フリは入場無料ですが、デザフェスは800円(当日券は1000円、両日券1500円)かかります。これは大きいです。つまりデザフェスに行って1軒だけを見てすぐに帰るのでは「もったいない」のです。

私が今回絶対に欲しかった絵師さんの作品は幸い、開場からすぐに売り切れる心配はなさそうでした。それであれば遅くまでやっていて入場料もかかるデザフェスを後にしようか…と思っていたところ、当日になって当の絵師さんから商品が減ったら早めに撤収するかもとアナウンスがあり、急遽予定変更、デザフェスが先となりました。この辺、柔軟に動けるかは情報戦感があります。

実際に動いたスケジュールはこちら:

12:00ごろ 開場直後の混雑を避け、デザフェス会場に到着
(南と西、1階と4階、ちゃんと全フロアを訪れています)
13:00過ぎ デザフェス会場を後にし、文フリへ移動
13:30過ぎ 文フリ到着
(第一、第二会場両方見ています)
15:30過ぎ 文フリを終えて出て来る

えー、一応注釈入れておきますと、私、歩くのが速いです。デザフェス会場でも迷惑にならない程度にサッサカ歩いていましたし、駅までの徒歩などは短めになっていると思います。

この間に購入したもの:

デザフェス
・目的の絵師さんの本(1200円)
・あらかじめWEBの出展者紹介からいいなと思っていた小物(1000円)
・会場でひとめぼれした雑貨(1200円)
 デザフェス合計 3400円

文フリ
・SNSで見て気になっていた無配と、そのブースの文庫本(500円)
・SNS&WEBカタログで見て気になっていた本&同じ方の別の本(合計1400円)
・WEBカタログで商業の作家さんが参加されていると知り気になっていた雑誌(1200円)
・SNSで気になっていたが実物を見て決めたかったサークルさんの本(1200円)
・見本誌コーナーでひとめぼれした文庫本(300円)
・同じく見本誌コーナーでひとめぼれした文庫本(700円)
・SNSで見かけてはいたが、見本誌コーナーで目を通して買うことに決めた文庫本(500円)
・見本誌コーナーで気になって立ち寄ったら、それとは違う翻訳絵本を買ってしまった(1300円)
・ブースで目を向けたら声をかけられ、見本品を見て購入を決めた詩集(600円)
・会場でテーマとお人柄にほだされて買った小冊子(300円)
 文フリ合計 8000円

散財合計 11,400円

デザフェスと文フリの雰囲気・混雑・設営の違い

デザフェス、全体的に美術室みたいな匂いがしました。ライブアートパフォーマンスなんかもやっているので、設備や画材の匂いかもしれません。
そして雰囲気も、美術室の延長もしくは、学園祭の映えるとこだけ持ってきて詰め込んだみたいな感じ。皆さん多かれ少なかれアート系なので各ブースも自由に飾り付けられて個性豊かです。
来場者もデザインの名にふさわしく、何かしらテーマのある服装の人が多いです。驚いたのは、子どもがけっこう多いことでした。

一方の文フリは、全体に大人向けのイメージです。文字作品なので楽しめる年齢層が限られるのはあるでしょうか。幼児連れの来場者も少ないです。
最低ブース幅はデザフェスより狭い長机半分サイズです。見本誌コーナーが別にあり、希望した人が出していますが、各ブースにもたいていは見本が置いてあります。

デザフェスはブース番号が見やすい位置にあり判別しやすかったのですが、文フリではガイドが少なく、メモをして行く際にはブース番号だけではなくサークル名などを控えておくべきでした。自主的にブース番号を掲げてくださっている出店者さんがありがたかったです。

気になる混雑について、どうやらデザフェスのほうは局地的に混むようです。特に開場時の混雑が大変と見かけたのもあって遅めにつきましたが、日曜12時の段階ではもう並ばずに入ることができ、人の流れもスムーズでした。にぎわってはいるが通行に支障を感じることはない、ちょうどよい混みぐあいです。

文フリの方は、売り切れを心配して早くに詰めかける人は多くないようです。13:40ごろの段階で中に入っても見通しが効かないくらいの混雑、特に第一会場入口近くのA列とW~S列あたりはみっしみしでした。背が小さいとけっこう危険を感じるレベルです。全部の通路を覗こうかと思っていましたが、この混雑部分に関しては途中で諦めることにし、気になっていた本もたまたま他の人のお会計中で人波に流されて…で逃したりしました。
15時の段階で、カタログがすべて捌けたこと、それゆえ史上最大数を記録したのが明らかになったことがアナウンスされ、拍手が起こりました。そのアナウンスでは、いつも15時以降も来場者がそれなりにあるとも話していました。

あまり正確ではないかもしれませんが、全体の動向としては
デザフェス:両日とも開場時にピーク、その後漸減する
文フリ:比較的コンスタントに人が訪れ、午後1~3時ごろがピーク

こんな感じだったのかなと思います。

文フリで人を寄せるにはどうするのが良いのか

さて、両方のイベントを比べてみつつ、集客についてです。

デザフェスの場合、WEBの紹介が写真付きで非常に充実していること、販売物もデザイン関連でビジュアル資料との結びつきが良いことから、WEBから気になって訪れた店舗がいくつかありました。
ゆっくり見て歩く人が多く、通路もそれが可能(右の店舗を見る人、左の店舗を見る人、真ん中を通行する人、の分割が可能)な幅を確保できているため、店舗ビジュアルを工夫すれば立ち寄る人が増えるとも考えられました。
WEBと店舗ビジュアルをつくるのは、ある意味で小売りの基本と言いますか、できるかどうかはともかくとして、理屈上は分かりやすい手法でカバーできるのがデザフェスと言えます。

しかし、このような分かりやすいマーケティング手法は、文フリでは通用しません。実際に私が購入した動機(戦果の欄を参照)を見ても、店舗ビジュアルやWEBカタログからの購入はそれほど多くないのです。
理由のひとつは、WEBカタログも文字メインなのでひとつひとつ見て行くのがつらく、気になる分野だけを参照したり、SNSで気になった人の価格をチェックするために使ったりと、デザフェスのWEB紹介ページに比べて限定した利用になりがちだからです。
もうひとつの理由は、本という形である以上、ぱっと見のビジュアルでの差別化が難しいからです。表紙絵やタイトルで…と言っても、デザフェスに比べれば限界があります。見てすぐに用途や良さが分かるものでもありません。

その代わりに「とっかかり」になりやすかったのが、
・見本誌コーナー
・ブースごとの見本品が判別しやすいかどうか
・声かけやペーパー差出し
でした。


本という形の都合上、中身を確認できる見本誌方式は非常にありがたいです。特に出たばかりで知名度が低いサークルは、見本誌を出すだけでかなり目に留まる確率が上がるのではないかと思いました。

ブースでの対応として、文フリでは手に取らなければ中身を見ることができないため、「話しかけにくい、置いてあるものが見本なのか分からず手を出しにくい」ことが原因で「目には留まったのにそれ以上進まなかった」商品がけっこうありました。目線を送っただけで「お手に取ってご覧ください」「ペーパーだけでもどうぞ」と声をかけてもらえた場合や、見本品が分かりやすい場合(必ずしも見本品と明記していなくても、明らかに多くの人がめくった形跡があるなども含む)には、手に取って検討することができました。

文フリでは、店舗そのもののビジュアルやWEBカタログに力を入れることも効果がないわけではないものの、見本誌・見本品の取扱や接客方法によるところが大きいと感じます。自分が出店するときは参考にしたい点です。

SNSの効果はいかに?

デザフェスも文フリも、事前にSNSである程度チェックして臨んでいます。
しかし実は、宣伝としての効果は限定的ではないかと感じました。

まず、両イベントに至るまでのSNS。
・デザフェスは公式サイトでのWEB紹介が充実していたため、WEB紹介を載せていない中で確認したのはすでにフォローしている「推し」が中心。ほかにもRTでたくさん流れてきたものは目にはしているが、数が多いので差別化は難しいと感じる
・文フリは作家さんごとの傾向をチェックできるおしながき画像のついたツイートがあれば、新しい方を知る上で役に立った。WEBカタログが見づらいため。

そして当日ですが…もちろん「絶対買う!」ではなく「様子を見たい」まで含まれたリストだったにしても、
・デザフェスでSNS、WEB紹介からチェックしていた中で実際に購入したのは9軒中2軒
・文フリでSNS&WEBカタログからチェックしていた人で実際に購入したのは20軒中3軒
……と、けっこうな数が「なんか違う」だったのです!

SNSはいずれにしても知ってもらうために役に立つツールではあるものの、直接的に購入につながるかというと、見本誌ほどの威力はないかもしれない、と思います。

文フリだからこそ、の「買わないポイント」

さて、文フリでお買い物をする中で「見送った」「チェックしきれなかった」作品たちには、いくつかのポイントがありました。

・小説は差別化が難しい
SNSやWEBカタログの段階で小説を選別するのはほぼ無理ゲーです。この点、オンラインのイベントの方が、複数の候補を並行して見られるので宣伝効果が出やすいかもしれないです。小説で目立つためには、見本誌のほかに、あらすじやサンプルを多めに出すことが必要だと思いました。

ISBNが付いてるのは…今日じゃなくていいや
商業流通し得るものであれば本屋さんで注文してクレカ払いすればいいのであって、今ここで買わなくても良くない?となってしまいました。お金が無限にあれば一期一会で確保してしまうんですが。

・思ったより薄かった
事前宣伝の段階でページ数書いてない人に起こりがち。事前チェックの困難ポイント&見本誌コーナーの威力のひとつが「厚み」なのは確かです。

・押し流された、場所がなかった
先述したとおり、一部のエリアは混み過ぎていた上に通路が狭く、デザフェスのような3列体制がとれなかったため、「あ、あれ、気にな、あ~~れ~~~~」と押し流されて行きました。空いたら戻ろうかと思いましたがその前に予算が尽きた。この点に関しては出店側がどうこうするのは難しそう。

おわりに:なぜ2つのイベントをはしごできたのか

と、いうことで、文フリ次回出店者の目線から、2つのイベントの違いをまとめてきました。
ここで大事なことを言います。

デザフェスも文フリも、本来なら開催時間みっちり全部滞在できるだけの、充実したイベントです。はしごしようなんてもったいない。ちゃんと楽しもうとしたら見切れません。

ではなぜ私の場合には、2つ回れてしまったのか。
それは「貧乏だから」です。

分かりますか、いい年した大人が、イベント2つ回るのに持っていける現金お小遣い1万2千円っていう哀愁が!!!!

つまり私の場合、そもそも最初からデザフェス会場全部をそぞろ歩いてみる~なんてできなかったのです。そんなことしたら予算オーバーしてしまう。
予算の範囲内に収めるために他に見向きもせず目的から目的へ歩く、デザフェス会場でそれをやったからこの時間で出て来られたのですし、目についたものを延々悩まず厳選して選ぶ、ちょっとでも気になる点があったらもうそれは買わない、予算が尽きたら帰る、とスパスパ判断してきたから文フリもこの時間で終えて出て来られたのです。

いいですか皆さん。デザフェスも文フリも本当はこんなもんじゃねえぞ!!!

……暑いし歩くし疲れるしもったいないので、今後同日開催がまた発生するとしても、皆さんぜひどちらか選んでゆっくり楽しんでください。2会場1万5千歩を踏破した人より。

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